今日の一冊

群青の夜の羽毛布 (文春文庫)

群青の夜の羽毛布 (文春文庫)

家族の複雑な事情、気持ちの移り変わりがリアルに感じられる本。
どこの家庭にも、程度の差はあれ問題はあるのかもしれない。


世間を騒がせる、家族内での争いや事件も、
ニュースで聞くと、「家族でよくそういう事ができるね。」
「異常だね」としか周りからは見えない。


でも、当事者がその事件や争いに至るまでの経緯は、
他の誰にも分からない複雑に入り組んだ気持ちから始まり、
何かの弾みでプツンと切れた瞬間まで。
事件がそのゴールなのかもしれない。


私が何故かそこで感じたのは、
人と比べてはいけないなという事。


きっと自分より裕福な家庭は沢山あるだろうし、
幸せでなに不自由しない家庭も数えきれないくらいあると思う。
そんな家庭を羨んで、ウチはウチは・・と言っても何もならない。
自分が「幸せ」と感じる事は、そんな自分より豊かな人や
他の誰にも感じ得ない幸せな気持ちで、それ以上の幸せはないんだと思う。


きっと自分より貧しい家庭は沢山あるだろうし、
毎日が苦しくて、辛い事ばかりだと思っている家庭もあるだろうと思う。
それを哀れんで、ウチは良かった〜並の生活ができて。
と思うのはあまり意味がないと思う。
貧しくて苦しくても、一瞬の幸せはあるだろうし、
それはその生活をしていないと感じられない幸福感だと思う。


それぞれの幸せは、世界で一番の幸せであって、
他の誰も味わえない気持ちだと思う。


だから自分が辛いからといって、「あの人はいいなあ」
「その人になりたいなあ」ではないんだと思う。


自分は今、シアワセなんだよ。