今日の一冊。

真昼の花 (新潮文庫)

真昼の花 (新潮文庫)

なんだかずーんと重く心にのしかかる一冊。

「個」の孤独さが、寂しいとか悲しいとかいう言葉じゃなくて
周りを眺める視線だったり行き交う人との距離だったりを通じて
少し恐くなるくらい感じました。


確かに人間結局は一人で生きていると
感じずには居られないときもあるけど、
その後ろには大切な人の存在があって
見えない壁に寄りかかっていると思う。


誰にでもそんな壁はあるはずだけど、
あまりにも孤独を感じたり不安になったりすると
それをどうにかして確かめたくなるのかもしれない。


そんな気持ちになった事、私は何度もある気がするけど、
どこかで「自分の支え」は絶対にあると分かっていながら
確かめたかっただけなんだと思う。
私がそこで得たかった確信は、きっと甘えなんだと思うけど。


でも、手に取るように愛情を注いでもらっているのを
感じたくなる時って誰にでもあるんじゃないかなあ。